ハラスメント研修の費用相場|講師派遣・セクハラ・パワハラ研修の総額と38社調査

ハラスメント研修の費用の目安は、講師派遣が1回20万〜60万円、公開講座が1人1万〜5万円、eラーニングが1人1,000〜15,000円です。比較サイトや研修会社が公開している目安を、2026年10月に確認した範囲の数字です。

当社のハラスメント対策オンデマンド研修は、1社33,000円(税込)で受講者10名まで、11名以降は1名につき3,300円(税込)の加算です。受講者が10名未満でも基本額は同額です。

2026年10月1日のカスタマーハラスメント対策義務化を受け、研修費用を調べている経営者・総務担当の方に向けた記事です。

独自調査として、当社が2026年9月にハラスメント研修を扱う38社のWebサイトを確認したところ、料金を明示していたのは2社でした(当社調べ)。

形式別の費用の目安

形式ごとの費用と、手に入るものは次の表のとおりです。講師派遣・公開講座・eラーニングの金額は、公開されている目安であり、当社が独自に算出した数字ではありません。

形式 費用の目安 手に入るもの
講師派遣(当日の講義) 1回20万〜60万円。講師の交通費、資料印刷費、会場費が別途かかる場合がある 講師による当日の講義。開催日に全員を集める必要がある
公開講座(参加者だけの受講) 1人1万〜5万円 参加した人だけの受講
eラーニング(動画教材) 1人1,000〜15,000円。最低契約人数や初期費用の有無で総額が変わる 動画教材の視聴
ハラスメント対策オンデマンド研修(当社) 1社33,000円(税込)で受講者10名まで。11名以降は1名につき3,300円(税込)を加算 全員の受講ログ、受講者名簿と法令対応表つきの実施報告書、会社情報を差し込んだ文書見本5点

当社の料金を比べる相手は、講師派遣です。講師派遣は1回あたり、当社は1社の総額で決まります。20名の会社なら、当社は66,000円(税込)です。

ただし、手に入るものが違います。見積もりを比べるときは、表の右端の列をそろえて確認してください。

費用を決める3要素

研修費用は、次の3つの組み合わせで決まります。

要素 内容
形式 講師派遣、公開講座、eラーニング、オンデマンド研修のどれか
人数 受講する従業員の人数
最低利用単位 1回あたり・1社あたりで課金される最低金額や最低人数の有無

同じ人数でも、この3要素の組み合わせ次第で総額が数倍変わることがあります。

セクハラ研修・パワハラ研修の費用

セクハラ研修とパワハラ研修の費用は、テーマではなく、形式・人数・講義時間・カスタマイズの有無で決まります。カスハラ研修を含め、テーマが変わっても決まり方は同じです。

当社が2026年10月に確認した範囲では、セクハラだけ、パワハラだけの費用相場を示した記事は見つかりませんでした。金額は、前の表の目安を基準にしてください。

費用が上がる条件は次のとおりです。講義時間・開催地・人数は、公開されている掲載例で確認できたものです。

条件 内容
講義時間 講師派遣は時間で料金が上がる。講師派遣サービス事業者の掲載例は、半日10万〜25万円、全日20万〜50万円
開催地 遠方は交通費・宿泊費が実費で別途かかる掲載例がある
人数 20名を超えると加算される掲載例がある
カスタマイズ 自社向けに内容を作り込む場合は、見積もりで金額が確定する

セクハラ研修の費用

セクハラ研修には、職場のセクハラに加え、2026年10月1日に措置義務が始まった求職者等セクハラ(男女雇用機会均等法第13条)が含まれる場合があります。費用の目安は前の表と同じです。

当社では、職場セクハラと求職者等セクハラは、管理職向けのハラスメント対策研修に含まれています。セクハラ分の追加料金はありません。

パワハラ研修の費用

パワハラ防止措置は、中小企業も2022年4月1日から義務です(労働施策総合推進法第31条。2026年10月1日施行で、それまでは第30条の2)。費用の決まり方はセクハラ研修と同じで、前の表の目安が基準になります。

当社では、パワハラは管理職向けのハラスメント対策研修で扱っています(フィードバックとパワハラの境界など)。パワハラ分の追加料金はありません。

講師派遣の費用はいくらか。公開講座・動画教材との相場構造

講師派遣の費用は、1回20万〜60万円が目安です。講師派遣サービス事業者の掲載例では、半日で10万〜25万円、全日で20万〜50万円です。遠方は交通費・宿泊費が別途かかる掲載例があり、20名を超えると加算される掲載例もあります。

講師派遣は1回あたりの費用がかかります。人数が増えても1回の費用は変わりにくい一方、開催日に全員を集める必要があります。

公開講座は参加者1人ごとの課金です。参加した人だけが受講できるため、人数が増えると総額も増えます。

eラーニングは1人あたり課金が中心で、最低利用単位(最低契約人数や初期費用の有無)が会社によって異なります。

最低契約人数が設定されている場合、受講者がそれを下回っても最低人数分の費用がかかります。見積もりの内訳を確認しないと、総額が分かりにくい構造です。

38社中、料金を公開していたのは2社(当社調べ・2026年9月)

当社が2026年9月にハラスメント研修を扱う38社のWebサイトを確認した結果、料金をWebサイト上に明示していたのは2社でした。

多くの会社は「お問い合わせください」という案内にとどまり、問い合わせて初めて見積もりが提示される形式です。

人数や条件で金額が変わるため公開しにくい事情はありますが、比較する側は最初の情報収集の段階で費用感をつかめません。

自社料金の公開例

株式会社リバラクトの「ハラスメント対策オンデマンド研修」は、料金を基本額と加算額の形で公開しています。

基本額は1社33,000円(税込)で、受講者10名までが対象です。11名以降は1名につき3,300円(税込)を加算します。

従業員数別の総額

受講者数ごとの総額は、次のとおりです。

受講者数 総額(税込)
5名 33,000円
10名 33,000円
15名 49,500円
20名 66,000円
30名 99,000円
50名 165,000円
100名 330,000円

10名までは、人数が変わっても総額は33,000円のままです。11名以降は、1名につき3,300円(税込)が加算されます。

誰が受講対象か。人数の数え方

当社のオンデマンド研修は、2つの講座で構成されます。

講座 対象
カスタマーハラスメント対策研修(全従業員向け) 接客・電話対応など、社外の相手と接する業務がある従業員全員
ハラスメント対策研修(管理職向け) 部下を持つ人(パワハラ・セクハラ・求職者等セクハラ・マタハラ・カスハラの5類型への対応を含む)

1名分の申込みで、2つの講座はどちらも視聴できます。管理職が接客業務も兼ねていても、2名分には数えません。人数は重複させず、受講させる人の合計で数えます。

人数が増えても会社側の作業は変わらない

名簿提出・周知・実施報告書の保管という3つの作業は、受講者数にかかわらず同じです。

作業項目 5名の会社 50名の会社
名簿提出 1回(5名分をまとめて提出) 1回(50名分をまとめて提出)
周知の方法 個別に案内すれば足りる 掲示・朝礼・一斉メールなどで案内
実施報告書の保管 1部を保管 1部を保管

名簿提出も実施報告書の保管も1回で完結するため、50名の会社が5名の会社の10倍の事務作業をこなすわけではありません。増えるのは名簿に記載する行数だけです。

受講にかかる時間コストの概算

金額換算は時給が会社ごとに異なるため、ここでは延べ受講時間だけを示します。

1話5分前後で計算すると、カスタマーハラスメント対策研修(全従業員向け・全15話)は75分、ハラスメント対策研修(管理職向け・全14話)は70分です。管理職は両方を受講するため、1人あたり145分かかります。

従業員のうち2割が管理職と仮定した場合の延べ受講時間は、次のとおりです。実際の管理職比率で計算し直してください。

従業員数 一般(全従業員向けのみ) 管理職(両講座) 延べ受講時間
10名 8名 2名 14.8時間
30名 24名 6名 44.5時間
50名 40名 10名 74.2時間

延べ受講時間は「一般の人数×75分+管理職の人数×145分」で計算しています。1話5分前後に分割されているため、休憩時間の合間に受講を進めることもできます。

従業員10人前後の会社は就業規則の整備も並行して必要になる

就業規則の作成・届出義務は、常時10人以上の労働者を使用する事業場に課されます(労働基準法第89条)。ハラスメント対策の改正とは別枠のルールです。

研修は義務項目のうち周知・教育の部分を埋めるもので、就業規則の作成・届出とは別の対応です。就業規則がない場合は、社会保険労務士に作成を依頼します。

料金に含まれるもの・含まれないもの

料金に含まれる範囲と、含まれない範囲を分けて確認しておくと、追加費用が発生する場面を事前に把握できます。

区分 内容
含まれるもの 2講座29話(カスタマーハラスメント対策研修・ハラスメント対策研修)、理解度チェック、受講ログ、実施報告書、義務項目の穴埋め用の文書見本5点
含まれないもの 就業規則の改定、社会保険労務士による適合判断、相談窓口の運営

就業規則の改定は社会保険労務士の独占業務にあたるため、研修とは別に依頼する必要があります。相談窓口の運営も、研修とは別枠の体制整備です。

受講時間は労働時間になる

会社が受講を義務づける研修の受講時間は、雇用形態を問わず、厚生労働省が示す労働時間の考え方では労働時間にあたります。就業時間内に受講させるか、時間外に受講させて別途賃金を支払うかを、導入時に決めておく必要があります。

分割受講の考え方など詳しくはこちらの記事にまとめました。

よくある質問

Q. セクハラ研修の費用はいくらですか。

セクハラ研修の費用の目安は、講師派遣が1回20万〜60万円、公開講座が1人1万〜5万円、eラーニングが1人1,000〜15,000円です。当社は1社33,000円(税込)で受講者10名まで、11名以降は1名3,300円(税込)加算です。

Q. パワハラ研修の費用はいくらですか。

パワハラ研修の費用の目安は、講師派遣が1回20万〜60万円、公開講座が1人1万〜5万円、eラーニングが1人1,000〜15,000円です。パワハラに限った相場は確認できていませんが、費用の決まり方は同じです。

Q. eラーニングと講師派遣、どちらが安く済みますか。

人数によって変わります。少人数であれば1人あたり課金のeラーニングが総額を抑えやすく、大人数を一度に集められる場合は1回あたり定額の講師派遣が有利になることがあります。金額だけでなく、受講記録や実施報告書が付くかも比べてください。

Q. 見積もりを比較するときに確認すべき項目は何ですか。

形式・対象人数・最低利用単位の3つです。加えて、初期費用の有無、視聴期限、修了要件(理解度チェックの有無など)、手に入る書類(実施報告書や文書見本の有無)も比較対象になります。

Q. 料金に「基本額+加算」という形式を使うのはなぜですか。

受講者数が変動しても総額をその場で計算できるようにするためです。最低利用単位(10名まで33,000円)を基本額として示し、それを超えた分だけ加算する形にしています。

Q. 従業員数と受講者数が一致しない会社はどう計算すればよいですか。

表の「受講者数」に、実際に受講させる人数(接客・電話対応がある従業員と管理職の合計、重複を除く)を当てはめて計算してください。33,000円+(受講者数−10)×3,300円という式で、10名を超える場合の総額を算出できます。

Q. 受講者数が10名を少し超える場合、11名で契約したほうが得ですか。

得にはなりません。10名以下は総額33,000円で固定のため、11名で契約しても料金は下がらず、加算が1名分増えるだけです。実際に受講させる人数だけ申し込んでください。

Q. 年度の途中で人数が増えた場合、追加費用はどうなりますか。

同じ加算額(1名3,300円・税込)で随時追加できます。年度ごとの料金であり、未受講分の繰越はありません。

Q. ハラスメント研修の費用に、助成金は使えますか。

1〜2時間程度のハラスメント研修だけでは、人材開発支援助成金の対象になりません。厚生労働省の支給要領(2026年8月版)で、1コースの訓練時間が10時間以上であることが要件とされているためです。他の訓練と組み合わせる場合は、管轄の労働局に確認してください。

Q. ハラスメント研修の費用相場はいくらですか。

講師派遣が1回20万〜60万円、公開講座が1人1万〜5万円、動画教材が1人1,000〜15,000円です(公開されている目安)。当社は1社33,000円(税込)で受講者10名まで、11名以降は1名3,300円(税込)の加算です。

Q. ハラスメント研修の講師派遣費用はどのくらいですか。

1回20万〜60万円が目安です。講義時間が長いほど上がり、半日で10万〜25万円、全日で20万〜50万円の掲載例があります。遠方は交通費・宿泊費が別途かかる掲載例もあります。

Q. この記事の内容は、いつ時点の情報ですか。

2026年10月時点の情報です。相場に関する記述は、比較サイトや研修会社が公開している目安であり、断定的な数値ではありません。自社の状況が要件を満たすかは、管轄の労働局か顧問の社会保険労務士に確認してください。

高畠 将大

代表取締役

高畠 将大

小樽商科大学卒業後、2011年に雪印メグミルク株式会社へ入社し、海外事業所の新規立ち上げに携わる。2018年に個人事業主として独立し、マーケティング・ブランディング支援などを手がける。2024年に株式会社リバラクトを創業、代表取締役に就任。

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