少人数の会社でも、ハラスメント対策の措置義務は免除されないのか
免除されません。2026年10月1日に施行された改正(令和7年法律第63号)には企業規模による猶予がなく、労働者を1人でも雇用する全事業主が対象です。パワーハラスメント防止措置も、中小企業は2022年4月1日から義務です(労働施策総合推進法第30条の2)。
今回の改正で加わった措置義務は次の2つです。
| 区分 | 根拠条文 | 措置義務の項目 |
|---|---|---|
| カスタマーハラスメント対策 | 労働施策総合推進法第33条 | 方針の明確化と周知/相談窓口の設置/相談対応の体制整備/悪質な客への対応方針/相談者への不利益取扱い禁止(5項目) |
| 求職者等セクシュアルハラスメント対策 | 男女雇用機会均等法第13条 | 方針の明確化と従業員・求職者への周知/面接等のルール整備と採用担当者への教育(2項目) |
指針は、厚生労働省のカスタマーハラスメント対策指針と求職者等セクシュアルハラスメント対策指針(いずれも令和8年厚生労働省告示)です。
全員を同じ日に集められない会社は、どうやって受講させるのか
1話5分前後に分かれたオンデマンド研修を、各自の空き時間に分割して視聴させます。弊社の講座は2つあり、1名分の申込でどちらも視聴できます。
| 講座 | 対象 | 話数 | 合計時間 |
|---|---|---|---|
| カスタマーハラスメント対策研修 | 全従業員向け | 全15話 | 約75分 |
| ハラスメント対策研修 | 管理職向け(職場セクハラ・求職者等セクハラを内包) | 全15話 | 約63分 |
注: 数値は弊社LP(liba.jp/harassment)の記載です。
店舗や現場に出ている従業員が多い会社では、始業前や休憩中に1話ずつ見る運用が現実的です。管理職は2講座とも視聴するため、合計は約138分(75分と63分の合算)になります。
分割視聴は、実際にはどのペースで組むとよいのか
1日の視聴を3話前後に区切り、5日程度で全話を見せる組み方を、一例として挙げます。弊社は、アカウント発行から1か月以内の受講完了を推奨しています。
| 日 | 視聴する話数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1日目 | 1〜3話 | 朝礼後など、始業直後に固定する |
| 2日目 | 4〜6話 | 同じ時間帯に固定する |
| 3日目 | 7〜9話 | 同上 |
| 4日目 | 10〜12話 | 同上 |
| 5日目 | 13〜15話と理解度チェック | 受講後アンケートまで同日に行う |
注: 上表は弊社が示す運用例で、視聴ペースに指定はありません。
管理職は、全従業員向け講座を先に終えてから管理職向け講座に進むと、受講の順序がログ上で追えます。
視聴期限は、どのくらいで切れるのか
視聴期限は、アカウント発行から3か月です。1か月以内の受講完了を推奨しているのは、期限ぎりぎりまで先送りされると、未視聴者の把握が遅れるためです。
少人数の会社では、1人の未受講が実施率に大きく響きます。10名の会社で1名が未受講なら、受講率は90%です。
そのため、アカウント発行日を起点に、次の3つを社内で決めておきます。
- 受講開始日と、全員の受講期限日(発行から1か月後を目安)
- 期限日に未受講の人がいた場合の連絡役(人事担当、総務担当、経営者のいずれか)
- 3か月の視聴期限が切れる前の最終確認日
何をもって「受講した」と扱うのか、修了条件はどう決まっているのか
弊社の修了要件は、全話視聴、各講座の理解度チェック、受講後アンケートの3つです。理解度チェックは講座ごとに独立しています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 全話視聴 | 講座ごとに全15話 |
| 理解度チェック | 講座ごとに独立して実施。管理職は2講座分 |
| 受講後アンケート | 5問・約3分。記名だが仮名化して集計し、会社へは集計結果のみ渡す |
アンケートは記名で回答されますが、会社に渡るのは集計結果だけです。個々の回答内容から従業員の評価を行う運用は想定していません。
受講の記録は、法定様式がないなかで何を残せばよいのか
措置の記録や修了証に法定様式はありません。労働局の報告徴収で見られるのは、方針文書・窓口設置・周知の実態です。研修の記録は、これらの措置を実施した事実を補う資料として保管します。
弊社は修了証を個別発行せず、実施報告書に一本化しています。法定様式がないため、受講者ごとに証書を出すより、会社全体の実施状況を1冊で示すほうが保管と提示に向くと考えたためです。
実施報告書は、労働局向けの法定書式ではありません。会社が実施記録として保管し、求められたときに示す文書です。
実施報告書には、具体的に何が載るのか
実施報告書はA4・3ページで、受講者名簿と法令対応表がつきます。構成は次のとおりです。
| ページ | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 1ページ目 | 実施概要 | いつ、どの講座を、何名が受講したかを示す |
| 2ページ目 | 受講者名簿 | 誰が受講したかを一覧で示す |
| 3ページ目 | カリキュラム一覧と法令対応表 | 研修の各話と、法令上の措置項目の対応を確認する |
注: 構成は弊社の納品物の仕様です。
法令対応表は、研修の内容と措置項目を並べて確認するための資料です。研修だけで措置義務の全項目を満たすわけではなく、方針文書や相談窓口は別に整える必要があります。
弊社の納品物には、実施報告書のほかに受講ログと、義務項目の穴埋めテンプレート5文書(会社情報差し込み済み)が含まれます。対応の一部を埋める位置づけで、最終判断は労働局または社会保険労務士に確認してください。
受講開始まで、社内ではどんな順で動くのか
申込から受講開始までの流れと、社内で必要な作業は次のとおりです。
| 順番 | 弊社側の流れ | 社内でやること |
|---|---|---|
| 1 | フォームで申込 | 受講者数と対象者を決める |
| 2 | 3営業日以内に弊社から連絡 | 連絡先を1人に決める |
| 3 | 受講者名簿の提出 | 氏名と連絡先を整理する |
| 4 | 支払い | カード決済または請求書払い |
| 5 | アカウント発行 | 受講期限日を全員に伝える |
| 6 | 受講開始 | 進み具合を確認する |
アカウント発行は入金確認後です。カード決済の場合は、決済当日から翌営業日に発行されます。請求書払いは、発行月の翌月末払いです。
名簿提出後とアカウント発行後は、キャンセルも返金もできません。受講者の人数を確定してから名簿を出してください。
少人数の会社は、料金をどう見積もればよいのか
ハラスメント対策オンデマンド研修は、1社33,000円〜(税込)です。受講者が10名を超える場合は、1名につき3,300円(税込)を加算します。
| 受講者数 | 料金(税込) | 1名あたり(税込) |
|---|---|---|
| 5名 | 33,000円 | 6,600円 |
| 10名 | 33,000円 | 3,300円 |
| 11名 | 36,300円 | 3,300円 |
| 15名 | 49,500円 | 3,300円 |
注: 弊社の料金表から算出した例です。受講者が10名未満でも金額は同額です。
年度ごとの料金で、未受講分の繰越はありません。人数が増えたときは、同じ単価で随時追加できます。
よくある質問
Q. 従業員が10人未満で就業規則がなくても、研修を実施する必要がありますか。
就業規則の作成・届出義務は、常時10人以上の事業場が対象です(労働基準法第89条)。一方、今回の措置義務は労働者を1人でも雇用する全事業主が対象で、企業規模による猶予はありません。10人未満の会社でも、方針の明確化と周知、相談窓口の設置は必要です。
Q. 途中で業務が入った場合、視聴を中断してもよいですか。
1話5分前後で区切られているため、話の区切りで中断できます。再開は同じアカウントから行います。視聴期限はアカウント発行から3か月で、1か月以内の受講完了を推奨しています。
Q. 修了証は個別に発行されますか。
個別には発行しません。修了証に法定様式がないため、実施報告書に一本化しています。実施報告書は、実施概要・受講者名簿・カリキュラム一覧と法令対応表の全3ページです。
Q. この記事の内容は、いつ時点の情報ですか。
2026年10月時点の情報です。自社の状況が要件を満たすかは、管轄の労働局か顧問の社会保険労務士に確認してください。